孤発性PDでも少なからずparkin,PINK1,LRRK2,alpha-synucleinなどの遺伝子変異を認めることがわかってきており,これまでのところ変異の頻度は少なくとも数%から20%くらいまでにのぼることを明らかにしている.parkin同様(吉野,今道),PINK1ヘテロ変異は孤発性PDや優性遺伝形式をとる家系でも存在することが明らかになり,発症の原因となる可能性や孤発性PDの危険因子となる可能性が示唆された(熊澤,李元哲,富山).浸透率の低い遺伝子変異など病原性変異解析の他,関連解析も進め,アジア人での孤発性PDの危険因子であるLRRK2 G2385Rは日本人の11.6%に存在していることが明らかにした一方(李元哲,舩山,富山),中国人で報告されたR1628Pは解析した範囲では日本人には存在しなかった(李元哲,舩山).大阪大学大学院臨床遺伝学戸田達史先生,水田依久子先生らとの共同研究で,中国人で報告されたLRRK2 P755L変異はPDとの関連が否定的であることも報告した(今道,李元哲,富山).
また大きなプロジェクトとして,大阪大学臨床遺伝学戸田達史先生,水田依久子先生らとの共同研究でゲノムワイドの関連解析が継続進行中である.アジアのgenetic consortiumでは多因子疾患に対するアプローチとして,遺伝的因子と喫煙,カフェイン摂取量との相互作用について解析中である(舩山,富山).さらに国際的consortiumであるGEO-PD (Genetic Epidemiology of Parkinson Disease)においてLRRK2, Omi/HtrA2の関連解析も進行中である(富山).今後もますます孤発性PDにおける遺伝的因子の関与に関する知見が明らかにされていくものと思われ,症例を蓄積しつつ,重要な解析プロジェクトとして取り組んでいる.